鳶になる

山仕事に欠かせない道具の一つにトビがある。 昔から伝統的に山で使われていたトビは、樫や楢などから取られた丈夫な長い柄の先に10センチ程度の鋭く尖った小さな鉄のくちばしが付いている。私たちに馴染みのあ…… 詳しく見る >

山という家

「山」というのは日本語では一義的には土地が高く盛り上がり先のとんがった地形のことを指す。いわゆる私たちが日常視覚的に思い浮かべるあの姿。しかし私が住む長野県の村では「山」と言った場合、単にその特徴的な…… 詳しく見る >

波長を合わせる

友人の誘いもあり鎌倉のギャラリーレストランで2週間の作品展示を行うことになった。比較的期間の長い展示だったが、値段が手頃で無料駐車場付きの民泊施設をネットで見つけられたので、思い切って会期中は鎌倉にず…… 詳しく見る >

新米とトレイル

 長野県のとある村に引っ越して来て8年になる。以来、近所の方から空いていた田んぼを借り毎年妻と二人で米を作っている。今年は7月に長雨に見舞われたものの、米の出来はとても良かった。農作業も一段落した先日…… 詳しく見る >

風 – 見えないもの

冬になるとわたしの住む村では風が強くなる。北アルプスからのふき下ろしは強烈で、恐ろしいほいどの勢いで谷筋にある我が家を抜けていく。 ある寒い朝、冬の太陽は山の向こうから姿を現すことはなく、青白い…… 詳しく見る >

虫巣食う身体

 重い腰を上げ、放置していた楢や桜の丸太の薪割りをすることにした。楢などの広葉樹は一般的にとても硬く、しかも直径40−50センチほどある大きな丸太だったのでマサカリでは歯が立たず、5年もほったらかして…… 詳しく見る >

巡る火

薪ストーブのある暮らしはいい。その独特の暖かさもさることながら、火を眺めている時間が何より良い。最近巷では焚き火が流行っているそうだが、それもきっと人はみな火を見つめている時間に魅せられるからだろう。…… 詳しく見る >

待つこと

 当たり前のことだが、農という営みとその成果はその時々の気候に大きく左右される。先人たちの試行錯誤によって確立された様々な農法、そして自らの経験に基づいた計画がどれだけ良いものだとしても、その最終的な…… 詳しく見る >

冬山の姿

 わたしが住む長野県朝日村の家は松本平と言われる広い盆地の西の端、北アルプス手前の行き止まりにある。買い物にしろ何にしろ、移動はほぼ全て車、ルートも決まっていて、盆地の西側にそびえ、地元では「西山」と…… 詳しく見る >